目次
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飲酒が増える年末年始
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飲酒は害か?
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飲酒における血圧の変化
3-1. 飲酒量と血圧リスクの関係【データ】
3-2. 飲酒後の時間経過と血圧の変化 -
悪影響を与えない飲酒
4-1. 適量飲酒の目安とは
4-2. 冬に気をつけたい飲み方のポイント -
日頃からできる対策
5-1. 血圧を測る習慣
5-2. 年齢別|飲酒と血圧の注意点 -
まとめ|冬こそ「量を守る飲酒」

1. 飲酒が増える年末年始
冬になると、忘年会や新年会、家族や友人との集まりなど、飲酒の機会が一気に増えます。特に年末年始は「少しくらいなら」と、普段よりお酒の量が増えがちです。
しかし冬は、気温の低下によって血圧が上がりやすい季節でもあります。寒さを感じると、体は熱を逃がさないように血管を収縮させます。その結果、血流が悪くなり、血圧が上昇しやすくなるのです。
ここに飲酒が重なることで、血圧はさらに不安定になります。特に高血圧と診断されている方や、年齢とともに血圧が気になり始めた方は、冬の飲酒には注意が必要です。
2. 飲酒は害か?
「お酒は健康に悪い」と言われる一方で、「少量なら体に良い」という話もあります。では、飲酒は本当に害なのでしょうか。
結論から言えば、アルコールは量と習慣次第です。少量の飲酒はリラックス効果があり、血管を一時的に拡張させ、血流を良くする作用があります。
しかし、問題となるのは継続的な飲酒や飲み過ぎです。実際に、飲酒量と高血圧リスクの関係を示したデータを見ると、その影響は明らかです。
▼飲酒量と血圧リスクの目安
飲酒量(1日) アルコール量 血圧への影響 高血圧リスク 飲まない 0g 影響なし 基準 少量 10~20g 一時的に血圧が下がることがある ほぼ変化なし 中等量 20~40g 血圧が上下しやすい 約1.2倍 多量 40g以上 血圧が持続的に上昇 約1.5倍以上 ※アルコール20gの目安
・ビール:中瓶1本(500ml)
・日本酒:1合
・ワイン:グラス2杯程度「毎日飲む」「量が増えている」という方ほど、知らないうちに血圧へ悪影響を与えている可能性があります。
3. 飲酒における血圧の変化
飲酒と血圧の関係は、実は時間差で影響が出るのが特徴です。
アルコールを飲むと、血管が拡張し、一時的に血圧が下がります。そのため「お酒を飲むと血圧が下がる」と感じる人も少なくありません。しかし、これは一時的な反応です。
▼飲酒後の時間経過と血圧変化
時間帯 体内の変化 血圧の状態 飲酒直後 血管が拡張 やや低下 数時間後 アルコール分解が進む 上昇し始める 就寝中 交感神経が刺激される 高めで推移 翌朝 脱水・血管収縮 通常より高い 特に冬は、寒さによる血管収縮と重なり、翌朝の血圧が大きく上がりやすい傾向があります。これが続くことで、高血圧が固定化し、脳卒中や心筋梗塞のリスクが高まります。
4. 悪影響を与えない飲酒
では、冬でも血圧に配慮しながらお酒を楽しむには、どうすればよいのでしょうか。
ポイントは「適量」「飲み方」「冷え対策」です。
まず、適量を守ること。先ほどのデータからも分かるように、アルコール20g前後までが血圧への影響を抑える目安です。
次に、空腹で飲まないこと。空腹時の飲酒はアルコールの吸収を早め、血圧の急激な変化を招きます。たんぱく質や野菜を先に摂ることで、血流への負担を和らげることができます。
また、冬は体を冷やさない工夫も重要です。飲酒後は血管が拡張し、体温が下がりやすくなるため、薄着や急な外出は避けましょう。
5. 日頃からできる対策
冬の飲酒による血圧リスクを下げるには、日常の意識も欠かせません。
まずおすすめなのが、血圧を測る習慣です。朝と夜、決まった時間に測ることで、飲酒と血圧の関係が見えてきます。
さらに、年齢によっても影響は変わります。
▼年齢別|飲酒と血圧の影響傾向
年齢層 特徴 注意点 30~40代 自覚症状が少ない 飲み過ぎに気づきにくい 50代 血管の柔軟性低下 血圧上昇が固定化しやすい 60代以上 調整力が低下 少量でも血圧変動が大きい 加えて、週に2日程度の休肝日を設けること、体を冷やさない生活習慣(入浴・服装)を意識することで、血圧の安定につながります。
まとめ
冬は気温の低下や気温差によって血管が収縮しやすく、血圧が上がりやすい季節です。そこに飲酒が加わることで、血流や血圧への負担はさらに大きくなります。
データが示す通り、アルコールは一時的に血圧を下げても、その後は上昇させる作用があります。大切なのは、お酒をやめることではなく、自分の体と年齢に合った飲酒習慣を身につけることです。
冬こそ、飲酒と血圧の関係を正しく知り、健康を守る選択をしていきましょう。



